公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

Heartful Message

こころの扉

WCRPとの得難いご縁

寒川神社権禰宜・WCRP日本委員会活動委員 中西正史

斯界の諸先輩方の御厚遇によりWCRPとは20年来のご縁を頂いており、学生の頃より先輩と共に立正佼成会様の本部での会合に出席させて頂いたり、青年部会の皆様方との活動の中でそれぞれの思いを語り合ったりした事は、今でも青春の日の良き思い出として心に残っています。

また現在の神社に奉職する迄は、ニューヨークの国際連合認可のNGOに赴任させて頂き、国連チャーチセンターを本部とするWCRP主催の行事をはじめとして、様々な行事や会合に参加させて頂きました。殊に、強く印象に残っているのが世界中からの各宗派の宗教者達と共に、広島・長崎への原爆、9・11(アメリカ同時多発テロ)、東日本大震災などで犠牲になった方々への慰霊の気持ちを籠めて平和への祈りを捧げる様々なインターフェイスセレモニーを奉仕させて頂いた事です。ご奉仕させて頂いた経験を通じて、宗派や民族を超えて集い一丸となって普遍的な平和を追求する事の大切さを心から実感しました。

同時に国連NGOの一員として、国家間の国益がぶつかり合う会議を垣間見て国際社会の意見集約や利害調整が如何に困難であるかを学びました。また会議中に報道機関と共にNGO団体が会場から出る様促される現状を目の当たりにして、国際会議の場で市民社会の一翼を担う宗教者達の声を拾い上げて貰う事の難しさも痛感いたしました。

帰国後は、神明奉仕の日常の中でWCRPと関わらせて頂く機会が無かったのですが、昨年より「ストップ!核依存タスクフォース」のメンバーを仰せつかる事となり、思いがけずニューヨークの様々な委員会などでご一緒させて頂いた先生方と再び活動させて頂ける幸運に恵まれ、改めて「一期一会」の貴重な出会いの大切さを噛み締めております。

此度改めてWCRPと関わらせて頂く事になり国連NGOに在籍していた頃と比較すると、国際情勢は当時とは比べものにならない程に混沌を極め、一個人としても凄惨な戦争の中で戦禍に生きる一般の人々をテレビ越しに目の当たりにして、何もできないもどかしい想いでおりました。そこで、此度再度頂きましたこの得難いご縁を切欠として、今後は「ストップ!核依存タスクフォース」の皆様と共に平和な国際社会を築き上げていく為、微力ながら全力を尽くしていきたいと思っております。

(WCRP会報2023年4月号より)

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