和解と平和に向けた国際的枠組みの構築を目的とした「第3回東京平和円卓会議」が、7月1日、東京で開かれました。本会議は、世界宗教者平和会議(Religions for Peace)国際委員会、日本委員会、そして国連文明の同盟(UNAOC)の共催により実現し、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、イスラームの五大宗教を代表する11カ国・約50名の宗教指導者が一堂に会しました。
6月30日(月)に行われた記者会見では、今年の円卓会議は、ロシア、ウクライナ、ミャンマーなど紛争地域の宗教指導者を迎えていることから、特に大きな意義を持つと説明されました。中東地域では依然として混乱が続いており、イスラエルとパレスチナの代表者は参加が叶いませんでしたが、両者はビデオメッセージを通じて対話と平和構築への揺るぎない意思を改めて表明しました。
世界宗教者平和会議 国際事務総長のフランシス・クリア博士は、記者会見の冒頭で次のように述べました。
「私たちは、平和を求め続けるためにここに集いました。その探求は、戦争を終わらせるという目標を達成するまで決して止まりません。真の平和とは、一瞬の出来事ではなく、日々、対話と勇気、そして協力を通じて新たに選び続ける不断の選択なのです。」
副事務総長のディーピカ・シン氏は、プログラムの紹介とともに開会の挨拶を行い、参加した各国の宗教指導者を歓迎しました。主な参加者には、ビラ・ツェルクヴァ府主教、ウクライナ正教会対外教会関係部副部のエヴストラティ・ゾリア府主教、ロシア正教会、
教会・社会・メディア関係シノドス副議長のヴァクタン・キプシーズ氏、ロシア・ムスリム精神集会ムフティ、
モスクワ・中央地域ムスリム精神管理部のムフティ・アルビル・ハズラト・クルガノフ師、キーウおよびウクライナ首席ラビ、
ウクライナ・ユダヤ教宗教団体連合
創設者兼会長のヤアコヴ・ドヴ・ブライヒ師、ヤンゴン大司教であり世界宗教者平和会議共同議長を務めるチャールズ・ボー枢機卿、世界宗教者平和会議ミャンマー委員会事務総長のイン・イン・モー博士、そして日本から参加した複数の宗教指導者が含まれました。
7月2日、代表団は国会議員とのハイレベル対話を実施します。この会議では、紛争解決、和解、人道支援に焦点を当て、2030年までを見据えた長期的な平和構築プログラムを含む継続的な平和イニシアチブへの政治的支援を確保することが主な議題となります。
世界宗教者平和会議日本委員会の戸松義晴理事長は、「軍事力によって平和は実現しない。力で得た『平和』は、真の平和ではない。平和は対話、共感、そして愛に根ざしていなければならない」と、本会議の根本理念を改めて強調しました。
また記者会見では、世界宗教者平和会議日本委員会の篠原祥哲事務総長が、持続的な取り組みと政治的関与の重要性を訴えました。参加者たちは、加害者の責任追及と被害者の癒しを両立させる「修復的正義」の必要性、そして忍耐、粘り強さ、人間の尊厳を共有する価値の大切さを共に確認しました。
激化する世界の紛争と人道危機の中で、東京平和円卓会議は、宗教が外交と平和構築において果たし得る重要な役割を私たちに改めて示す、希望の灯となっています。
原文:https://www.rfp.org/religious-leaders-unite-in-tokyo-for-peace-in-ukraine-and-russia/