公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

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お知らせ
2022.5.13
国際関係 ボランティア・支援活動

ウクライナ周辺国現地調査レポート [3]

現在のウクライナ情勢を受けて、WCRP日本委員会はウクライナ支援募金を3月から開始しました。現在、WCPR日本委員会は、WCRP加盟団体と連携し、ウクライナ周辺国での支援にむけた現地調査を行っています。実施中の現地調査を随時レポートしてまいります。

5月8日(日)ポーランド共和国

現地調査隊は、ワルシャワからウクライナ国境沿いの町で、軍事侵攻によって犠牲となられた方々へ慰霊を行った。その後、スロバキア共和国のコシシェへと移動した。

5月10日(火) スロバキア共和国

現地調査隊は、スロバキア共和国・コシシェで、フォコラーレ運動による難民支援活動視察し、その後、フォコラーレ運動関係医師による医療支援活動に関する聞き取りを行った。その後、ルーマニアのクルジュナポカに向けて移動した。

○スロバキア・コシシェでの視察報告

コシシェ市内で、カトリック教区が難民受入をしている施設を訪問した。フォコラーレ運動の多くの会員が、この施設で受け入れボランティアとして関わっている。同施設の責任者であるパブロ・マルコ神父から受入状況について説明を受けた。マルコ神父によると、ウクライナへの軍事侵攻直後から、コシシェ市内での難民の受け入れが始まった。受け入れ初期のころは、避難してきた難民の衣食住を整え身心を休めることを第一としたが、徐々に就労、通学などの社会的な支援が必要となり、長期的な支援を見越して、日常生活を支えながら社会的支援も行うようになった。同施設はフォコラーレ運動をはじめ、キリスト教系の各種団体がボランティアとして支えており、運営にあたっては篤志家から寄付を頂いているものの、行政からの財政的支援は一切受けていないという。現在、48人の難民を受け入れており、そのほとんどは母子であるが、未成年者だけで避難してきたケースもある。また、衣食住の生活支援だけでは不十分であり、心の癒し、受容すること、抱擁することという心のケアが必要であり、そのためには信仰的な価値観が重要であるとのことであった。
コシシェはウクライナがかなり近いことから、もともとかなりのウクライナ人が住んでいた。今回の事態を受けて彼らは難民のために寄り添い助けるよう心を開いているという。
現地調査隊は、千羽鶴とメッセージ集をお渡した。

難民受入施設訪問後、コシシェのフォコラーレ運動の拠点に移動し、フォコラーレ運動会員から難民支援活動の報告を受けた。コシシェには4人ほど医師の会員がおり、それぞれ難民を支援する活動を行っているという。ただし、医師としての支援活動というよりは、個人的・信仰的な見地から難民を家に受け入れるなどの活動を行っているとのことであった。また、コシシェのフォコラーレの会員たちは、カトリックを母体としたNGO団体「カリタス」のスタッフとして働くウクライナ国内のフォコラーレ運動会員と連携し、必要な物資を収集してウクライナ国内に届ける活動も行っている。