世界の主要宗教を代表する人々、また現在も紛争が続く地域から30名以上の宗教指導者が、「第3回東京平和円卓会議」に集いました。
「『戦争を超え、和解へ』諸宗教平和円卓会議」をテーマに掲げた本会議では、赦しの重要性、即時停戦の呼びかけ、平和構築における若者と女性の重要な役割が改めて強調されました。
本会議は、世界宗教者平和会議(Religions for Peace)国際委員会および日本委員会が、国連文明の同盟(United Nations Alliance of Civilizations)と連携して主催したもので、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、イスラーム、神道の宗教指導者が、現地参加とオンライン参加の両方で一堂に会しました。参加者は、インド、イスラエル、日本、ケニア、ミャンマー、パレスチナ、ロシア、スペイン、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、アメリカ合衆国など、幅広い国々から集まりました。(順番は英語表記をベースに記載)
各宗教指導者たちは、ウクライナ、イスラエルとパレスチナ、ミャンマー、シリア、スーダンといった紛争地域で続く人々の苦しみに対して深い悲しみを表明しました。彼らは、暴力、強制移動、気候危機、市民への攻撃といった複合的な危機に対して国際社会が一致団結し、包摂的に取り組むべき課題であることを強調しました。
円卓会議では、ウクライナとロシアの宗教指導者を含む、意義ある対話が実現し、全ての紛争地域における即時かつ無条件の停戦が共同で呼びかけられました。
世界宗教者平和会議日本委員会の戸松義晴理事長は、「意見の違いがあっても、参加者全員が共通して抱いている想いは、“いのちは常に守られなければならない”ということだ」と述べました。
世界宗教者平和会議国際事務総長のフランシス・クリア博士は、平和とは「日々、対話と勇気、協力を通して新たに選び続ける不断の選択である」と述べました。そして、道徳的指導を切実に必要とする今の世界において、赦し、癒し、そして和解への揺るぎない決意を改めて表明しました。
今回、イスラエルとパレスチナからの参加予定者は、昨今の情勢悪化により出席が叶いませんでしたが、主催者は今年後半に改めて対話の場を設け、「東京平和プロセス」における和解の取り組みを継続する予定です。
この「東京平和プロセス」は2022年に始動し、宗教指導者が平和の共同創造者として、赦し、癒し、和解に根ざした具体的な行動を通じて、平和に貢献する重要な役割を担うことを確認しています。
本会議の重要なハイライトの一つは、国会内で実施された特別セッションでした。ここでは、国会議員と宗教指導者が意見を交わし、信仰共同体がどのようにして世界の平和構築に貢献できるかを共に探求しました。
WCRP/RfP国際活動支援議員懇談会の共同代表の岡田克也元副総理は、暴力の早期終結のためには、宗教と政治の協働が極めて重要であると強調しました。
また、本会議では、紛争地域出身の若者を未来の平和構築者として育成し、世代を超えた平和の取り組みを強化することを目的とした「諸宗教青年平和交流プログラム」の開始が発表されました。
参加した全ての宗教指導者が署名した成果文書では、「すべてのいのちは尊い」との原則を確認し、暴力を否定し、思いやり、慈しみ、相互尊重に根ざした公正な平和を求めることが明記されました。宗教指導者たちは、自らの地域社会において、聖なる、そして困難な「和解の道」を導くことを誓い、今回の円卓会議の真の成果は、それぞれが帰国後にどのような行動を取るかによって図られると確認しました。
Statement
声明文
原文:https://www.rfp.org/third-tokyo-peace-roundtable-champions-forgiveness-and-calls-for-ceasefires/