公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

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2023.5.16
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「宗教者による祈りとシンポジウム」開催報告

「宗教者による祈りとシンポジウム」を開催
G7広島サミットに向けた提言書を採択

「宗教者による祈りとシンポジウム」を5月10日、広島市のカトリック幟町教会・世界平和記念聖堂で開催しました。これは、同市で5月19日から21日まで開催された主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に、平和な世界に向けて祈り、宗教者の役割と行動を再確認し、メッセージを発信するもの。会場には約200人が集まり、オンライン配信を通じて11カ国から約300人が参加しました。

 

第1部の「宗教者による祈り」では、中村憲一郎師(立正佼成会参務)の開会あいさつに続き、森重昭さん(浄土真宗門徒)が被爆体験を証言しました。

森さんは9歳のとき、爆心地から2・5キロの橋の上で被爆。2人の友人の陰になったことや川の中に吹き飛ばされたことで、やけどを負わずにすみました。しかし、上空でB29の爆音が聞こえたため、道で倒れている人や助けを呼ぶ声を無視して泣きながら逃げます。森さんは、当時の地獄絵図のような市街の様相を語る一方、広島市内で捕虜の米兵が被爆して死亡した事実を知り、米国でその遺族を探した体験を語りました。

このあと、神道、仏教、キリスト教、イスラーム、新宗教、アジア太平洋諸宗教青年ネットワーク(APIYN)の代表者がそれぞれの平和の祈りを捧げ、最後に参加者全員で黙とうしました。

第2部のシンポジウムでは、戸松義晴理事長(浄土宗心光院住職)が開会あいさつを述べ、三宅善信理事(金光教春日丘教会教会長)をモデレーターに、7人が発題を行いました。

最初に登壇した平和研究所の西原廉太副所長(立教大学総長)は、2006年から16年間、キリスト教諸教会の協議体である世界教会協議会(WCC)の中央委員を担ってきた経緯から、WCCの「核」に反対する第一義的根拠は、「それが健康と人道と環境について懸念を生むからであり、軍事的であれ、民生用であれ、核の技術は自然界に存在しない有毒の元素を大量に生み出し、同時に世界で最悪の環境汚染を引き起こすからだ」と述べ、核産業について「安全」という言葉を使うことはできないと指摘。そして「地球温暖化防止、カーボンエミッション、カーボンニュートラルをめぐる議論の中で、原子力エネルギーの容認、もしくは積極的受容といった声が散見されることに大きな危惧を抱く」と警鐘を鳴らしました。

また、ロシアによるウクライナ侵攻についても言及。「ウクライナで、いまこのときも尊いいのちが奪われ、核の脅威が格段に高まっている現下で、私たちは『死』ではなく、いまこそ『いのち』を選ぶようにと変わらなければならない。戦争と暴力、死と核の恐怖から脱出する、『正義と平和、いのち』の道を選び、共に歩まなければならない」と訴えました。

   

続いて、ピースボートの畠山澄子共同代表、APIYNのレンツ・アルガオ議長、太平洋教会協議会のベティ・ラキューレ氏、中國新聞社の宮崎智三特別論説委員、カトリック広島司教区の白浜満教区長、浄土真宗本願寺派西善寺の小武正教住職が各々の分野の立場から平和へ向けた意見を述べました。

   

次に、提言として「G7広島サミットに向けた宗教者提言~『ヒロシマの心』が導く持続可能な平和をめざして~」が、ACRPの神谷昌道シニアアドバイザーのモデレーターのもと、円応教智章・海外布教センターの深田章子所長が読み上げ、満場一致で採択されました。

 

最後に、田中庸仁理事(真生会会長)が閉会あいさつを述べました。

なお、黒住教婦人会の黒住昭子会長が総合司会を務めました。

【最終】G7サミットへの提言(PDF)