
Secretary General’s Statement on the Conflict in the Middle East – Religions for Peace
2026年3月3日、ニューヨーク州ニューヨーク:
中東における紛争の再燃を、私たちは深い悲しみと強い懸念をもって見つめています。私たちは、現在の敵対行為によって苦しむ当該地域全域の人々と連帯します。何よりも、世界は人々の幸福(well-being)、人権、主権、そして法の支配の尊重を最優先しなければなりません。
人間の尊厳と生命の権利への尊重は、あらゆる国際的関与を評価する上での中心的な視点として機能しならなければなりません。これらは与えられるべき譲歩ではなく、戦略的または軍事的利益のために決して損なわれてはならない根本的な柱です。個人の尊厳を中心にしなければ、私たち全てを守るべき法の道徳的権威が損なわれ、最も脆弱な人々が戦争の許しがたい代償を背負うことになります。
私たちは最近の情勢に深く憂慮しています。国家の主権と領土の保全は、国連憲章に基づき侵害されてはならないものです。いかなる武力行使も、国際人道法を厳格に遵守しなければなりません。特に、宗教施設、宗教指導者、および民間人を標的とすることは許されず、何よりも民間人の保護が最優先して確保されねばなりません。
私たちは、核拡散の危険性に関する懸念を認識しています。脆弱な状況下での核拡散は当然ながら平和と安全保障への懸念を増大させます。しかしながら、こうした懸念に対処するには、対話、地域安全保障協力、そして全ての当事者による国際的に認められた条約やメカニズムの尊重を通じてのみ可能となるのです。核兵器を保有できる「善なる国家」と、保有すべきでないとされる「悪なる国家」に世界を分断することは、長期的な解決策とはなりえません。核兵器の廃絶こそが、唯一の実行可能な長期的な解決策です。
イランの人々は、現在の危機において最も大きな負担を背負い続けています。継続する紛争により、人びとは深刻な人道的苦難に直面し、基本的人権の享受が持続的に制約されるなど、最大の苦しみと命の喪失の危機にさらされる脆弱な立場に置かれています。こうした状況に対し、国際社会による継続的な注目と支援が求められています。また、重要な石油流通ルートの混乱による近隣諸国や国際社会全体の苦しみも私たちは認識しています。
私たちの第一の責務は、これらの市民が共に尊厳ある繁栄を享受できるよう、政治体制が人々の最善の利益に奉仕し、基本的人権を完全に尊重することを確実にすることです。
世界への訴え
私たちの共有する人間性と信仰の精神に基づき、以下の緊急の呼びかけと訴えを行います。
国際法尊重の緊急性
主権を侵食し、国際法規範の侵害を招きかねない事態の進展に対し、深刻な懸念を表明します。主権と法の支配の尊重は、地域すべての人々の正当なニーズと、すべての主体が直面する重大な平和・安全保障上の課題に対処するための、信頼性と公平性を備えたプロセスと密接に結びついていなければなりません。多国間枠組みの外で行われている最近の行動を特に懸念しています。このような一方的な介入は、全ての国家の主権と安全を守るルールに基づく国際秩序を弱体化させています。
さらに、核兵器プログラムの廃絶は不可欠ですが、その廃絶は、信頼できる公平で国際的に認められた法的メカニズムを通じて追求されなければなりません。すべての国は、核不拡散条約(NPT)に関する今後の協議、および11月に開かれる核兵器禁止条約(TPNW)検討会議に積極的に参加すべきです。
すべての攻撃の停止
私たちは敵対行為の即時停止と、あらゆる紛争の交渉による解決への回帰を求めます。報復の連鎖は民間人の苦しみを深め、地域をさらに不安定にするだけです。永続的な安全保障は軍事的なエスカレーションによって達成されるものではなく、国際法に根ざした持続的な外交努力を必要とします。
人道支援への妨げのないアクセスの確保
紛争当事者は、中東の人道状況が悪化しないよう努めなければなりません。政治的・軍事的立場に関わらず、すべての当事者に対し、人道支援への妨げのない安全かつ持続的なアクセスを保証することを求めます。民間人の保護は何よりも最優先されなければなりません。私たちは、民間人の生命と人間の尊厳を守ることが、現在その国で活動しているすべての関係者の中心的な優先事項であり続けなければならないことを再確認します。
この瞬間を転換点としましょう——長引く苦しみから癒やしへ、恐怖から希望へ、不処罰から正義と法に根差した説明責任へとむかうように。
私たちは、言葉に尽くせない暴力と避難を強いられてきた人々と連帯します。このような苦難を前にして沈黙することは許されません。宗教指導者および信仰をもつ者として、私たちはすべての人の命の神聖な価値と、平和、正義、和解への揺るぎない決意を改めて表明します。
この地域に平和、正義、そして人間の尊厳が確かに守られるよう、祈りと行動において結束しましょう。
信仰と連帯のうちに。
フランシス・クーリア博士
Religions for Peace事務総長