公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

Heartful Message

こころの扉

第二回WCRPベルギー・ルーベン会議の思い出

生田神社名誉宮司・WCRP日本委員会監事 加藤隆久

本年は1970年に京都で第一回世界宗教者平和会議が開催されてから50周年を迎える。この時に当り第二回WCRP世界大会が開催されたベルギー王国ルーベン市で催された会議の思い出を記してみたい。会議は1974年8月28日より9月3日まで、ルーベンカトリック大学で「宗教と人間の生活の質」を基調テーマに52カ国約350人の世界の宗教者が集って開催。開会式当日、マリアテレサ・カレッジ大講堂で世界の宗教者注視の中、東洋から来た宗教をトップにするという事で、庭野日敬会長の推薦により私が神社神道による「平和の祈り」を奉仕した。開会式ではインドのフェルナンデス大司教が「宗教と人間の質」と題した格調高い講演を行った。会議の主テーマに基づき「非武装と安全保障」「人間環境と人類の生存」の各研究部会で討議が行われた。私は環境部会に参加。この部会は飯坂良明氏が議長で、三宅歳雄、伊藤栄蔵、大石秀典、石倉保助、雲藤義道、石川洋、清水実、田澤豊弘、黒田純夫氏等日本委員会代表が多く参加していた。環境部会では、第一に神学的宗教的観点からの環境に対する対処の仕方、第二に客観的見地からの観察、第三に科学的客観的分析と客観洞察をいかに結びつけるのか、特に世界中の宗教者と協力して行動出来る形での具体的方策を打ち出しつつ討議を進めて行くという方法で会議が行われた。分科会終了後、青年者会議が持たれ、青年は理想を実現するために積極的に行動し奉仕活動をするべきという意見で一致し、世界の青年は交流の実現計画を持ち、平和教育と宗教教育の徹底を促し、平和アカデミーの設置を要請。平和教育センターとの情報を交換し、WCRP青年部会を各国に作るよう努力すべき事が討議された。

会議中、各国の宗教者と親しくなったが、とりわけ印象深かったのは英国のクエーカー教徒でノーベル平和賞受賞者のノエルベーカー氏であった。会議場でノエルベーカー氏とお近づきになり種々御意見を伺っていたところ、格調高い英文のメッセージを書いて下さった。翻訳すると「今の世は嵐を呼ぶ雲が暗く立ちこめ、重くのしかかっている。しかし、もしWCRPがその良心を発動し、国々の主張を推進するならば、やがて、その日が来るだろう」と簡潔ながらWCRP運動の意義を良く表したもので、今尚、この一文を大切にして、ルーベン会議を思い出しているのである。

(WCRP会報2020年6月号より)