公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

Heartful Message

こころの扉

新春挨拶

⽇本聖公会主教・WCRP⽇本委員会理事⻑ 植松 誠

新年おめでとうございます。

旧年中も世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会のために、温かいご支援、ご協力を賜りまして誠にありがとうございました。

昨年は、国内におきましては2月以来の新型コロナウイルス感染症拡大の波に揉まれた1年となりました。一昨年8月、ドイツのリンダウ市で開催されました第10回WCRP世界大会を受けて、昨年はその大会宣言に挙げられている諸課題を日本委員会としてプログラム化し、実践に移していくことが求められておりました。それは、世界大会宣言に日本委員会がそれまでの活動の中から提唱したメッセージや提言が多く取り入れられており、その意味でも日本委員会としては主体的に国内で、また世界の宗教者と協働しながらプログラムを策定・実行していく責任があったと言えます。

新型コロナウイルス感染拡大は、そのような私たちの取り組みへの思いや熱意を根底から覆すような出来事でした。政府や自治体から出される感染対策に従って、外出自粛、人が集まる際にはいわゆる三密を避けることを求められ、ほとんどの会議や活動、行事ができなくなりました。人との接触をできるだけ避け、また互いに距離(ソーシャルディスタンス)を空けるようにということ、これはどのような人も愛と慈悲をもって接することを大事にしてきた私たち宗教者にとってはまったく相容れないことでした。しかし、そのような中で、昨年は、WCRP日本委員会の各委員会や各タスクフォースの方々が、小規模な集会を開いたり、文書や電話、IT(オンライン)などを駆使して、平和構築のための様々なプログラムに携わり、推進してきてくださったことに心からの感謝と敬意を表します。コロナ禍はこれからも長く続くと思われます。このような方々の献身的な働きの中で、第10回WCRP世界大会で打ち出された「積極的平和」への試みは、今年も滞ることなく続けられていくと信じます。

昨年は10月にアジア宗教者平和会議(ACRP)東京大会が、11月にはWCRP創設50周年記念式典が予定されておりましたが、コロナ禍のために今年に延期されています。私たちの悲願でありました「核兵器禁止条約」もついに発効となり、今後は日本の批准を求める運動が続けられていきます。50年前にWCRPを創設された先達たちの尊い志を、私たちは今年も引き継いでいけるように、決意を新たにしたいと思います。

本年も、皆様のご理解、ご協力とご支援をお願い申し上げます。

(WCRP会報2021年1月号より)

BACK NUMBER