新年おめでとうございます。
旧年中も世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会のために、温かいご支援、ご協力を賜りまして誠にありがとうございました。
昨年は、第10回WCRP世界大会が8月、ドイツの古都リンダウで開かれ、世界の125か国から1000人もの参加者が集まり、日本からは正式代表やオブザーバーなど、約40人が参加しました。日本委員会では、私たちがこれまで行ってきた平和へのさまざまな取り組みから、世界大会に向けて何が提言できるかを、年初から各委員会やタスクフォースで協議してきました。その結果、三つの主題的なメッセージと15項目にわたる提言を作成し、前もって世界大会事務局にそれを送付し、大会での議論に、また最終的な大会宣言にそれらが反映されるようにと提案しました。最終日に採択された大会宣言文を見ますと、そこに挙げられている共通の行動への呼びかけ9項目の内の8項目に、日本委員会が提唱したメッセージや提言が盛り込まれていました。
日本委員会が世界大会のために事前に準備したメッセージ・提言は、委員会全体と各タスクフォースが、これまでの自分たちの歩みを真摯に総括しながら、今、何が求められているかを抽出したものでした。これから私たちは、第10回WCRP世界大会宣言文に挙げられていることを、実際にアクションに移していきますが、その中で、私たちの提言についても、先ずは私たちの置かれている現実の中で取り組んでいくことが求められていると思います。
昨年は、日本と韓国との関係が戦後最悪と言われた年でもありました。しかし、私にはどうしてもそのようには思えません。WCRP日韓両委員会の間で、これまでに築かれてきた信頼関係や交流は、このようなことで失われたり弱められることはないと信じるからです。昨年、リンダウも含めて、何回か日韓の会合を持ち、今吹き荒れている喧騒に惑わされることなく、私たちは、地道にこれまでの和解と交流の歩みを続けていくことをお互いに確認しました。
昨年11月に来日されたフランシスコ教皇は、核兵器の使用のみならず、保持することも罪であると宣言しました。これは、日本委員会の「核兵器禁止条約発効に向けたアドボカシー」に大きな励ましを与えるものです。
10月には東京でアジア宗教者平和会議(ACRP)大会が開催されます。日本委員会は主催者として積極的に関わってまいります。
本年も、皆様のご理解、ご協力とご支援をお願い申し上げます。
(WCRP会報2020年1月号より)