公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

Heartful Message

こころの扉

新春挨拶

立正佼成会会長・WCRP日本委員会会長 庭野日鑛

あけましておめでとうございます。

昨年は、「第九回ACRP大会」および「WCRP創設五十周年記念式典」を共に国内で開催することができました。加盟教団の諸先生方に多大なるご協力を頂戴しましたことに、あつく御礼を申し上げます。

ACRP大会において日本委員会は、五つのフラッグシップ・プロジェクト(人身取引防止、いのちの尊厳教育、平和構築と和解など)への支援を改めて表明しました。

また五十周年記念式典では、今後十年間の日本委員会の方向性を定めた「アジェンダ2030」が発表され、気候変動への取り組みなど六つの目標が示されました。

本年は、これらの目標をタスクフォース(特別事業部門)や常設機関を通して、具体化していく最初の年になります。ACRPの事務局も日本にあることから、一層連携を深め、推進してまいりたいと思います。

さて宗教は本来、主張するものではなく、帰依するものであるといわれます。地球上の生きとし生けるものは、大いなる一つのいのちとも申すべき神仏によって、この世に生を享け、生かされています。そうした神仏に感謝し、帰依して、敬虔な心で頭を垂れ、合掌する時、宗教者同志は自ずと一つになっていくに違いありません。

ところが世界の中には、自分の信じる宗教は他より優れており、絶対なるものであり、最も尊いとする独善的な微妙な問題が、いまだに残されております。五十周年記念式典のテーマに「宗教協力の新たな扉」が掲げられましたが、そうした従来からの課題に対する取り組みも重要であると申せましょう。

日本委員会の半世紀におよぶ歩みは、各国委員会の中でも、最も活発かつ多様で、国際的な諸宗教対話・協力の推進に類まれなるリーダーシップを発揮してきました。そこに、「アジェンダ2030」、フラッグシップ・プロジェクトなどの活動が新たに加わります。

五十周年記念式典の席上、次代を担う青年部会、女性部会のメンバーのほか、平和研究所の先生たちが、壇上で「アジェンダ2030」を発表し、気勢を上げられていました。その姿に触れ、私は、日本委員会の将来は安心だ、何の心配もいらないと思いました。

こうした日本委員会に加盟の皆さまの力を結集して、常に創造的な活動を進めてまいりたいと願っています。

本年も一層のご理解とご協力をお願い致します。

(WCRP会報2022年1月号より)

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