この2年余、私たちはCOVID-19パンデミックとの格闘の日々を過ごしてまいりました。祈りつつ、手探りで自分にできることを懸命に行ってきたように思います。一日も早いパンデミックの収束を祈ります。また、この2月末よりはウクライナでロシアの軍事侵攻が始まり、私たちは断腸の思いで毎日を過ごしてまいりました。「原発への攻撃」「核兵器使用の可能性」「第三次世界大戦」という恐ろしい言葉まで聞こえてきます。いつまでこの状況が続くのか。一方的な暴力によって他者の自由と独立とを損なうことは何人にも許されません。
2021年8月4日の「比叡山宗教サミット34周年記念・世界平和祈りの集い」(オンライン)、10月19日の「アジア宗教者平和会議(ACRP)」(オンライン)、11月24日の「WCRP創設50周年記念式典」(対面=於国立京都国際会館)に参加させて頂きました。これまで50年に渡ってその尊い働きに参与してこられた方々に心より敬意を表し、感謝を捧げます。ACRPでは竹村真一氏、WCRPでは人類学者の山極壽一氏と宇宙飛行士の山崎直子氏の講演からは多くを学ばせていただきました。WCRPで私は祝辞の中で「宗教家/信仰者は一千年を視野に入れて今ここを生きなければならない」という故相馬信夫主教(1916-1977)。カトリック正義と平和協議会)の言葉をご紹介させて頂きました。山極氏は100万年単位での生物の進化を、山崎氏は数億光年単位での宇宙の成立についてお話しくださり、そのスケールの大きさに改めて驚かされました。同時に「今ここ」を大切にし、多様性を認め合いながら、平和を求めて生きる宗教者の使命について考えさせられています。
ウクライナ危機のさなか、私たちは今こそ祈りとと希望に生きなければなりません。JELCとWCRP日本委員会は3月2日、日宗連も3月4日、その事態を憂慮し、暴力の行使に強く反対の意を表明しました。世界中で人道支援の輪は拡がっています。ACRPの祝辞でも触れたことですが、2011年3月11 日の際に“Pray for Japan”という世界中からの祈りと支援の輪に支えられたことを感謝をもって想起します。どれほど私たちはそれによって大きく支えられてきたことか。一刻も早い殺戮の停止と和平の実現のために私たちも祈りと力を合わせてまいります。この祈りのネットワークが世界を動かす力となりますように。「世界を動かす力、それは希望である」(ルター)。“Let us pray for Ukraine.”
(WCRP会報2022年4月号より)